等価時間サンプリング

Cosmo-Zで等価サンプリングを行うオプションを用意しました。

通常、ADCのサンプリング速度は80MHz~125MHzで時間分解能は10ns前後ですが、繰り返し波形に対して、繰り返しサンプリングする際にADコンバータへ送出されるクロックを少しずつシフトさせることで、サンプリングタイミングを少しずつシフトし、本来のADCの性能を飛躍的に上回る、等価的に高い周波数でのサンプリングを実現することができます。

これを等価(時間)サンプリングといいます。

 

Cosmo-ZおよびCosmo-Z Miniの全製品はこの等価サンリングに対応していますが、ナノ秒以下の信号のふるまい観察するには、アナログフロントエンドの改造が必要になります。

 

 

応用例

Cosmo-Zの等価サンプリングは、Cosmo-Zから短いパルスを出してその反射や透過を計測するという形で行われます。

そのため、伝送路の長さやオープン/ショート箇所までの距離の測定、伝送路の形状推定(TDR)、構造物の埋没調査、ほかには半導体レーザの発光特性の評価などに利用可能です。

 

 

また、Cosmo-ZのADCクロックを外部クロック同期に切り替え、外部からトリガを与えることで、外部トリガ・外部クロックでの動作も可能となります。

外部同期はポンプ光・プローブ光による吸収スペクトルの変化の観測などに利用可能です。

 

高速オシロスコープとの比較

従来でも高速オシロスコープを使えばサブナノ秒の測定は可能でしたが、そういった高速オシロスコープは重く、大きく、非常に高価でした。

Cosmo-Zは装置自体が小型軽量であり、多数のチャネル(最大32ch)を同時に等価サンプリングできるので、チャネルあたりのコストメリットが非常に優れています。
このため、専用の計測システムを安価に構築することができます。

 

連絡先

等価サンプリングの機能についてご興味をお持ちの方は、 info@tokudenkairo.co.jp までご連絡ください。

 

実際の計測例

下の写真は実験の様子を示しています。

 

信号の構成は下の図のとおりです。

Cosmo-Zから2系統のトリガ信号を出力して、片方を直結してCH7に入力し、もう片方を50cmの同軸ケーブルの後T型分岐でCH3に入力しています。T型分岐した信号は1.5mの同軸ケーブルに接続されていて、終端は解放となっています。

 

得られた波形は次の図のようになりました。

直結した紫色(CH7)の信号は綺麗な矩形波に若干の反射が見えている程度ですが、オレンジ色(CH3)の信号は解放端同軸ケーブルでの反射によって多くの段差が生じています。

 

また、CH7とCH3の配線は35cm程度の差がありますが、その配線長の差が信号到達時間の差として見えています。

 

また、等価サンプリングにより、サンプリング速度は80MHzの96倍速で7680MHzとなり、時間分解能は130psまで向上しています。

 

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